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マンションストーリー1『三光坂の午後』

マンション物語

田川 りか

筆者 田川 りか

不動産キャリア22年

代表取締役        
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「三光坂の午後」



クラッシィハウス白金三光坂は、僕たち家族にとって特別な場所になった。部屋の窓から見えるのは穏やかな坂道と青々とした街路樹。東京都心である港区にあるとは思えない静けさと緑が、僕たちの生活にあたたかな安らぎを与えてくれる。

今日は娘のひなたの初めてダンス発表会の日だ。

妻の奈央は朝からアイロンを握りしめ、小さな衣装の皺を丁寧にそしてうれしそうに伸ばしている。

リビングのフローリングに立つひなたは、鏡の前で真剣な顔をしてポーズを決めている。「どう?これ、かっこいい?」と聞かれるたびに僕は「最高だよ」と答える。白金のこのマンションで過ごす日常は、いつだってそんな些細で、温かな瞬間に満ちている。


このマンションを選んだのは、坂のある街が好きだったからだ。敷地内には豊かな植栽が広がり、どこか外国のアパートメントのような雰囲気がある。エントランスは石造りで気品が漂い、足を踏み入れるたびに「帰ってきた」と思わせてくれる。


午後、家族3人でマンションを出てタクシーに乗り込む。発表会の会場は近くだ。車窓から坂を見下ろすと、いつもの景色が少しだけ違って見える。白金という土地は、どこか時間がゆっくり流れている気がする。タクシーを降りると、ひなたが僕の手をぎゅっと握る。「緊張するよ」と言う彼女に、「大丈夫。いつもの笑顔で踊ればいい」と声をかける。


発表会の帰り道、ひなたは疲れて僕の腕に抱きついている。「踊ったの、楽しかった?」と聞くと、小さな声で「うん」と返事をした。

その顔には、緊張から解放された満足感が漂っている。奈央は「よく頑張ったね」と言いながら、そっとひなたの髪を撫でた。

マンションに戻り、玄関の扉を開けると、ほっとする空気が流れ込んでくる。白金三光坂のこの家が、僕たちにとってかけがえのない場所であることを、改めて感じる。完璧にリノベーションされた状態で購入したこの部屋のあたたかな色調もまた、わたしたちの気持ちをいやしてくれる。明日もまた、奈央とひなたの笑顔に包まれたこの部屋で、新しい物語が始まるのだろう。



FIN



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株式会社アールグラシア 代表 田川りか

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